論述
リハビリテーションと整形外科の責任
土屋 弘吉
1
1横浜市立大学医学部整形外科教室
pp.899-902
発行日 1966年12月25日
Published Date 1966/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903842
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はじめに
1958年に私はNew YorkのInstitute of Physical Medicine and Rehabilitationのfellowとして渡米したが,その当時わが国では,リハビリテーションという言葉すらも殆ど知らされていなかつた.阪大の水野教授がそれ以前にすでにリハビリテーションについて雑誌に書いておられるが1),一般的には未だ誰も関心を持たない頃であつた.私自身はつきりした理解をもつていたわけでなく,整形外科の仕事の一部分だろう位にばく然と考えていた.
渡米してまずColumbus, Ohioに立寄つた折に,そこのリハビリテーション科のWorden教授(現California大学教授)と会食をする機会があつた.その時Worden教授から,リハビリテーションは整形外科とは関係のない全く独立した専門分科であると聞かされて,はじめてびつくり仰天,自分の迂濶さに気がついたわけである.
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