--------------------
編集後記
横山 巖
pp.572
発行日 1987年7月10日
Published Date 1987/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106560
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
今月の特集は老人のリハビリテーションである.今回は障害老人にとっては医学的リハビリテーションと並んで極めて重要な社会的リハビリテーションに的をしぼった特集となった.
在宅リハ・サービスと機能訓練教室と題して伊藤氏は,先進的な横浜市における現状を紹介されたが,このようなシステムを医療機関や福祉施設の代替として位置づけるのではなく,施設整備とは別に開発していくべきことを強調している.この点は重要であり,編集子も全く同感である.障害老人の在宅ケアにおける極めて重要なアプローチの一つに生活環境の整備があるが,石神氏は在宅障害老人の生活環境整備について,家屋改造の指導に際して注意すべき諸点を具体的に解説されているが,これらは入院患者の退院時の指導に際して良き参考になるであろう.在宅障害老人ケアシステムに関して小山氏は,行政面から種々の問題点を指摘されたが,とくに,既往の多種サービスの相互乗り入れ,供給側の情報の一元化等について強調され,更には保健所と福祉事務所との一元化という大変革の検討を提案されている.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.