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編集後記
横山 巖
pp.158
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106224
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平成2年に入ってから本誌の発行遅れが目立っておりまして誠に申し訳ありません.平成2年(第18巻)の1号において,当初の予定の特集「リハビリテーションにおける処方」を,都合によって2号にまわす旨の変更と予告を行ったのでしたが,この2号の特集も,当初3号の予定であった「老年期痴呆とリハビリテーション」を繰り上げねばならなくなりました.「リハビリテーションにおける処方」は4号に繰り下げます.度重なる不手際をお詫び申し上げます.
本号の特集「老年期痴呆とリハビリテーション」でとりあげた痴呆は,現在のわが国の社会問題として極めて重要な存在となっており,行政が真剣に対応せざるを得ない問題にもなっています.本特集の柄澤論文において,80歳以上,85歳以上になると,痴呆の出現率が著しく増大することが指摘されていますが,1988年に神奈川県が行った老人健康実態調査の結果でも,呆けの出現率は65歳以上の老人では4.9%に過ぎなかったのが,80~84歳では13%,85歳以上では20%という高い値を示しました.人口の高齢化の進展に伴って,高齢者を抱える家庭が増えれば,必然的に呆け老人を抱える家庭も増えることになり,呆け老人への対応の困難さが社会問題になりつつあるわけです.このような状況下において,本特集は誠に時宜を得たものと思われます.
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