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編集後記
横山 巖
pp.927
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105958
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今月の特集は「右脳,左脳とリハビリテーション」である.このテーマは現在,脳疾患のリハビリテーションにおいて極めて大きな関心を集めているものの一つである.
本特集において,河内氏は「左右大脳半球の機能分化」と題して,この問題の歴史的な発展過程を述べた後,最新の知見として,右半球と言語機能の問題,さらに,左右半球面の構造上の差異等の興味ある知見を紹介された.宮森氏は「右脳損傷とリハビリテーション」と題して,よく知られている半側空間無視以外に,右半球と運動・行為の障害,コミュニケーションの障害,行動の特徴等について述べたが,これらは左片麻痺患者にリハの場で接する際に大いに参考になる知見であると思われる.伊藤氏は「左脳損傷とリハビリテーション」と題して,失語症に対する新しいアプローチであるPACE(Promoting Aphasics' Communicative Effectiveness)を紹介された.5症例における実際のやりとりを通して極めてわかり易い解説となり,PACEの理解を深めることに役立つものと思われる.
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