Japanese
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講座 評価会議(3)
両側人工膝関節置換術後に二次感染を合併した慢性関節リウマチ
The Rehabilitation of Bilateral Infected Total Knee Arthroplasty in Rheumatoid Arthritis.
南 久雄
1
Hisao Minami
1
1兵庫県リハビリテーションセンター整形外科
1Hyogo Rehabilitation Center.
キーワード:
慢性関節リウマチ
,
評価会議
,
ADL訓練
Keyword:
慢性関節リウマチ
,
評価会議
,
ADL訓練
pp.469-476
発行日 1987年6月10日
Published Date 1987/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106536
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)の治療を行う上で重度の障害を伴う症例では,単に医学的治療のみでは不充分なことが多い.患者を中心とするチームアプローチが必要である.当センターにおいては,医師,看護婦,理学療法士(PT),作業療法士(OT),医療ソーシャルワカー(MSW),リハ工学士,義肢装具士,心理判定員などによるチームアプローチを行ってきている.しかしRAの場合脊髄損傷や切断者の場合と異なり症状が次第に進行してゆくために社会的,職業的リハビリテーションにまで進むことが少なく,医学的リハビリテーションにとどまってしまうことが多い.
チームアプローチを行っていく上で評価会議(ケースカンファレンス)は不可欠なものである.一人の患者を各分野から異なった目で評価し,評価会議にその結果をもちより,各分野の情報交換,治療方針,短期・長期のリハゴール,装具補装具の問題,自助具の問題,住宅改造の問題,リハ機器の問題など患者をとりまく諸問題について検討を行っている.評価会議は,通常初期(入院時),中間,最終(退院前)と最低3回は行っているが,リハプログラム上問題が生じた時にMSWが窓口となり日程調節を行い随時開催している.特に最終カンファレンスにおいては,退院の時期,退院後のケアー,特に訪問看護などについて検討される.
ここに示す症例は,膝関節に対して両側に人工関節置換術を施行,その後12年経過して二次感染を併発し,人工関節を抜去した症例で,リハゴールが2転3転と変化しリハゴール設定に難渋し,その過程について評価会議を中心に述べる.
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