Japanese
English
特集 老年期痴呆とリハビリテーション
痴呆の疫学
Epidemiology of Age-related Dementia.
柄澤 昭秀
1
Akihide Karasawa
1
1東京都老人総合研究所
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
キーワード:
痴呆の疫学
,
老人性痴呆
,
痴呆の原因疾患
Keyword:
痴呆の疫学
,
老人性痴呆
,
痴呆の原因疾患
pp.85-88
発行日 1990年2月10日
Published Date 1990/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106208
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はじめに
痴呆とは,いったんは正常に発達した知能が,その後に起こった何らかの原因によって異常に低下してしまった状態を言う.老人にだけみられる現象ではないが,ここでは老年期にみられる痴呆の疫学的実態について述べる.
健康な人でもある程度年をとると,知能の一部に若干の低下が起こることは避けられない.また,よく知っている人の名前が思い出せないとか,度忘れ,言葉の言い間違いなどがちょくちょく起こるようになる.これらは精神面における正常な老化現象とみなされるものであり,痴呆とは区別される.痴呆というのは病的な原因によって起こった変化であり,その背景には必ず慢性の脳機能障害が存在する.
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