Japanese
English
特集 頸部脊椎症
頸椎症の疫学と総論
Epidemiological Study of Cervical Spondylosis.
田岡 祐二
1
,
井形 高明
1
,
原田 祐次
1
,
津保 雅彦
1
,
福田 昇司
1
Yuji Taoka
1
,
Takaaki Ikata
1
,
Yuji Harada
1
,
Masahiko Tsubo
1
,
Syouji Fukuda
1
1徳島大学整形外科教室
1Department of Orthopedic Surgery, School of Medicine, Tokushima University.
キーワード:
頸椎症
,
疫学
,
予後
Keyword:
頸椎症
,
疫学
,
予後
pp.163-168
発行日 1989年3月10日
Published Date 1989/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106016
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はじめに
頸椎症(cervical spondylosis)は頸椎椎間板変性が基盤となり、椎体後縁,鈎椎結合部および後部関節での骨棘や骨堤の形成ならびに脊椎異常可動性などを伴うといったいわば加齢現象である.最近のMRIなどの画像より椎間板ヘルニア状態をきたすことも明確化してきた.いずれにしても脊椎症は,spinal painを見たり神経系や血管系の障害を併発することが少なくない.
本症を臨床症状から分類すると,①頸部脊椎症(cervical spondylosis,以下CS),②頸部脊椎症性神経根症(cervical spondylotic radiculopathy,以下CSR),③頸部脊椎症性脊髄症(cervical spondylotic myelopathy,以下CSM)に大別できる,さらに,④頸部椎間板ヘルニア(cervical disc herniation,以下CDH)をこれらより,分離した病名として加えることができる.
今回,頸椎症の疫学について頻度・症状・予後等など自験例を中心に検討する.自験例は1984~1988年の間に徳島大学整形外科を受診した患者のうち頸椎症と診断した1023名および過去5年間に当院に入院手術したCSM48名,CDH34名を対象とした.
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