Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
宇宙飛行およびベッドレストや後肢懸垂などのシミュレーションモデルが,ヒトやラットの骨格筋に及ぼす影響について検討した。抗電力筋活動の抑制により,ヒラメ筋では,タイプⅠのミオシン貢鎖(MHC)発現を有する筋線維の分布が減少し,タイプⅠおよびⅡ MHCが混在した筋線維が出現した。萎縮は遅筋線維で顕著であった。したがって,これらの筋では最大発揮張力が減少するとともに,収縮および弛緩速度が亢進した。萎縮筋では全筋ホモジナイズで分析されたミトコンドリア酵素活性が低下していたが,単一筋線維における値は変化しておらず,筋線維の萎縮と酵素レベルの減少がほぼ並行して進行することが示唆される。筋線維1mmあたりの核数と細胞質容積/核比も低下した。さらには,遅筋線維を支配するα-運動ニューロンのコハク酸脱水素酵素活性も,地上コントロールより宇宙飛行群が低かった。後肢のunloading中も筋電図は正常であるが,足関節の底屈により筋が短縮するため,足関節伸筋の張力発揮は抑制される。筋萎縮はafferent inputの抑制ももたらす張力発揮の低下と関係するものと思われる。また,速筋化は,張力発揮抑制に起因したATP turnover rateの鈍化と関連することも示唆された。したがって,筋におけるこのような変化を防ぐには,筋長および張力発揮を維持する必要があろう。
Effects of actual spaceflight and/or simulation models such as bedrest or hindlimb suspension on skeletal muscles in human and rats were studied. In response to gravitational unloading, the percent distribution of fibers expressing pure type I myosin heavy chain (MHC) in an ankle plantarflexor, soleus, decreased. A de novo appearance of fibers co-expressing type I and various II MHC was noted in unloaded muscle. The atrophy was prominent in slow-twitch fibers.
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.