Japanese
English
講座 CTによる脳の解剖学(1)
頭部CT検査の進め方
Procedure of Cranial Computed Tomography.
中森 昭敏
1
Akitoshi Nakamori
1
1七沢リハビリテーション病院,脳血管センター放射線科
1Department of Radiology, Nanasawa Rehabiliation Hospital, Comprehensive Stroke Center.
キーワード:
頭部
,
CT診断
Keyword:
頭部
,
CT診断
pp.65-72
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105993
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Ⅰ.CTの基本原理
1.逆問題
観測された現象からその原因,あるいは現象を成立させている内部機序を決定する問題を逆問題という1).例えば,「太鼓の形が聞けるか」という問題では,たたかれた太鼓の音を聞いて,その太鼓の形状を知ろうとする.この場合,耳に達する音は振動数,振幅,波形といった要素をもっているが,これらは太鼓の皮の張り具合や,たたき方,気温などという種々のファクターによって左右される.
さて,医学における診断過程を考えるとき,その大部分は逆問題として捉えることができる.上記の例からは聴診を連想していただければ,容易に納得されることと思う.近年,医学の分野でこの逆問題としての発想によって大成功を納め,いまなお発展を続けている分野に画像再構成の領域がある.そしてX線CTはその代表例である.
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