Japanese
English
特集 脳卒中の急性期治療
急性期脳卒中の画像診断
Recent Advance in Tomography for the Diagnosis of Acute Strokes.
伊藤 正敏
1
,
小暮 久也
2
,
川島 孝一郎
2
,
山田 進
3
,
畑澤 順
1
,
松澤 大樹
3
Masatoshi Itoh
1
,
Kyuya Kogure
2
,
Kohichiro Kawashima
2
,
Susumu Yamada
3
,
Jun Hatazawa
1
,
Taiju Matsuzawa
3
1東北大学サイクロトロンRIセンター核医学研究部
2東北大学医学部神経内科
3東北大学抗酸菌病研究所放射線医学部門
1Division of Nuclear Medicine, Cyclotron Radioisotope Center, Tohoku University.
2Department of Neurology, School of Medicine, Tohoku University.
3Department of Radiology, Research Institute for TB & Cancer, Tohoku University.
キーワード:
MRI
,
ポジトロンCT
,
脳血流
,
脳卒中
Keyword:
MRI
,
ポジトロンCT
,
脳血流
,
脳卒中
pp.99-103
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105766
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はじめに
脳卒中急性期の診断は,当然のことながら,その成因が出血か梗塞かの鑑別に始まる.典型例では,発症の経過,合併症,神経学的所見等で凡そ診断可能であるが,小出血と梗塞との鑑別診断は容易ではない.
1973年に発表されたHounsfieldによるコンピューター断層法1)は,衝撃的なものであり,これにより脳出血か否か診断は,ほぼ完成したと言ってよい.更に,その後の計測技術とそのコンピューター処理の進歩はめざましく,デジタルアンギオ(DSA),磁気断層法(MRI),核医学CT(シングルフォトン,ポジトロン)と発展して来た.
脳卒中の診断は,なかでも,最もこれら画像診断の恩恵をこうむっている疾患の一つである.極端には,神経内科医,脳外科医,放射線科医を専門としなくても,画像診断をもってすれば,極めて容易に通常の脳卒中の鑑別診断が可能になったとも言える.従って,脳卒中の画像診断に関した文献,入門書は,非常に多い.ここでは,無用の重複を避ける意味で,比較的最近に発達してきたMRIとポジトロンCTを中心として画像診断の現状と進歩について述べる.
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