書評
渡辺正毅(帝京大学客員教授)編集 広畑和志(神戸大学教授)編集―膝関節の外科 第2版
小林 晶
1
1福岡整形外科病院
pp.754
発行日 1985年10月10日
Published Date 1985/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105459
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本書の初版が世に出たのは1977年である.これ以後の膝関節外科の進歩には今回の序文にある通り目ざましいものがあって,この領域を特に専門に取組んでいる者にとっても目くるめく思いがする.
これに応ずるように第2版が出版された.本書は第1章膝関節総論,第2章膝関節の疾患,第3章膝関節手術法,第4章リハビリテーションと膝関節の離断・義足の4つに大別されている.この中で第1章の総論ではこれまでの成書に記載が少なかった解剖,生理,生体力学,検査法が詳述されて,これから膝関節だけではなく広く関節外科の研究,診療を始めようとする人にとっては,特に有用である.もちろん認定医になられた人々にとっても基礎的事項を復習するのに必要かつ充分の知識と理解が得られると思われる.とかく外国の文献のみに基づいた記述が多くなる,基礎的な知識は漸くわが国からも独自の情報が得られるようになった感が深い.シンチグラム,CTスキャンなどが新たに加わっているのも便利である.
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