Japanese
English
特集 障害者の生活関連用具
生活関連動作とその道具
Activities Parallel to Daily Living and Related Utensils.
大川 嗣雄
1
,
入村 文子
1
Tsugio Ohkawa
1
,
Ayako Nyūmura
1
1横浜市大病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Yokohama City University Hospital.
キーワード:
APDL
,
炊事動作
,
炊事道具
Keyword:
APDL
,
炊事動作
,
炊事道具
pp.657-662
発行日 1985年9月10日
Published Date 1985/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105441
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はじめに
生活関連動作とその道具とは,その言葉から考えると障害者の生活関連動作を円滑に行うための補助的な道具類をさすと思われる.そして,生活関連動作とは昭和51年に日本リハビリテーション医学会によって示された新しい概念である.したがって,それ以前に分類された加倉井1)による福祉機器の概念をみても生活関連用具という分類はない(表1).また,その他にも自立機器,介助機器などという分類もあるが,それぞれが明確に定義されているわけではない.しかし,分類はともあれ障害者が生活を営んで行く上で,そのために工夫されたり,考えられた道具を用いることは有効な手段である事は良く知られている.
すなわち,障害者の医学的リハビリテーションの過程を考えると,道具が最も有効に用いられるレベルは,いわゆる能力障害のレベルであろう.このレベルでは,機能障害とは異なり,障害の治癒や治療が行われる訳ではなく,障害の軽減のためには,障害の代償や残存機能の強化が主要な目標となる.このような能力障害は従来から,日常生活動というあいまいな概念の中に一括して考えられて来ていた.しかし,リハ医学の方法論,技術の進歩などによって,能力障害のレベルをより明確にしかも詳細に規定する必要に迫られて来ていた.このような点から,日常生活動作の概念をより明確にした考え方,すなわち日常生活動作と生活関連動作を区別するという考え方が明らかにされた.この段階で,我々はまずそれぞれの境界を整理し,その考え方を明確にする事が必要である.その上で,生活関連動作における道具の持っている意義とそれに対するリハ医学からの基本的なアプローチについて明らかにしていかねばならない.
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