心身障害児の合併症

Complication of Physical and Motor Handicapped Children.

はじめに

　脳障害は出生前，周生期，後天性とさまざまな原因によっておこり，障害部位，範囲により，脳障害の程度が異なる．従って合併症もさまざまである．栗屋¹⁾は，脳性麻痺児の合併症として，一次的合併症として，1）てんかん，2）精神遅滞，3）聴力障害，言語障害，4）聴覚障害，5）奇形をあげ，二次的合併症として，1）胸部変形，側彎，関節拘縮，脱臼，褥創，2）嚥下障害，3）嘔吐，胃-食道逆流現象，4）感染症，5）栄養障害，貧血（鉄欠乏），6）歯科領域，う歯，歯肉炎，7）精神的問題，8）その他，をあげている．また，重症心身障害児について，脳性麻痺の占める割合^2，3)は50～60％であり，上記の同様な合併症が問題として考えられる．そこで，これら脳性麻痺，および重症心身障害児（以下重心児と略す）について，合併症をのべる．