書評
―砂原茂一編(国立療養所東京病院)―リハビリテーション医学全書21 呼吸障害・循環障害・老人
荻島 秀男
1
1ペインリハビリテーションクリニック高島平整形外科
pp.929
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552105071
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我国は確実に世界でも1,2を争う長寿国になっているがこれは乳幼児死亡率の劇的な減少と老人医療の充実に負うところが大きい.長寿国が幸せであるかどうかは別として疾病構造の変化は著明でありその意味でこのリハビリテーション医学全書の21巻(砂原茂一編:呼吸障害・循環障害・老人)はタイミング良く出版されたと歓迎されるであろう.この全集の企画の段階で「老人」という項目はあがっていなかったと記憶しているがはじめの企画より10年以上の年月を経ているのでその間に老人問題の比重が高まり追加されたものと考える.
米国のリハビリテーション専門医のレジデント研修コースでは循環器疾患の修練が必要とされている.CardiologistとPhysiatistのチームによるCardiac rehabilitationがプログラムとして組まれていない施設は大学病院であったもボードの研修施設の認定をとり消されているのが実状である.その位リハビリテーション医学の分野で呼吸器疾患と循環器疾患のリハビリテーションについての知識を要求される時代になっている.この巻はそのような意味でリハビリテーション専門医制度が発足した我国でさっそく参考書として使える手ごろな本である.
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