Japanese
English
講座 車椅子(3)
車椅子の処方と訓練
Metrical Points of Standerdized Wheelchair and Driving Technique for Wheelchair Users.
木村 哲彦
1
Tetsuhiko Kimura
1
1国立身体障害者リハビリテーションセンター
1National Rehabilitation Center for the Disabled.
キーワード:
JIS T 9201
,
車椅子
Keyword:
JIS T 9201
,
車椅子
pp.221-227
発行日 1983年3月10日
Published Date 1983/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104918
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はじめに
我が国の車椅子の歴史をみるとその源は大正時代に聖ルカ病院で使用した輸入車にあるらしい.そして当時の人力車を製造していた職人の手によって模造品が作製されたと云われる.現存するものでは第2次大戦時の三輪大車輪型のものが残っているだけで,患者輸送車の一種として存在した.自走を前提とした車椅子(今で云う補装具または日常生活用具)として認められるようになったのは,昭和20年代も後半になってからであったと云える.それ以後は国外(主として米国)より輸入されたものを見よう見まねで米国のメーカの手になる手引書等を参考に処方し,試行錯誤をくり返した時期がしばらく続いたと云える.
昭和40年頃から始まった本格的な生理学的,人間工学的研究が車椅子JlS規格制定(昭和46年)と云う形で結実し,昭和52年に改正された後は最も正しい坐位を保持し,最もエネルギーロスの少い操作の可能な車椅子が処方されるのが当り前になったのである.
現在使用されるものの多くは,標準化様のJIS型であるが,片手駆動型,手動チェーン型,前方大車輪型,手押型も時折処方され使用される.また最近では患者,障害者も社会参加の機会が広がり,いわゆる社会生活用具としてのスポーツ用車椅子,作業用起立補助装置つき車椅子,コンパクト車椅子等必ずしも生理学的,人間工学的な数値に捉われないものも処方されるようになった.
処方について個別にその特徴にふれ,さらに訓練についての基本について述べる.
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