社会保障とリハビリテーション

Rehabilitation Connected with Social Security.

　Ⅰ．リハビリテーション需要の変遷

　社会保障制度審議会が，昭和25年に出した最初の勧告によると，「いわゆる社会保障制度とは疾病，負傷，分娩，廃疾，死亡，高齢，失業，多子その他困窮の原因に対し，保険的方法または直接，公の負担において経済保障の途を講じ，生活困窮に陥った者に対しては，国家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに，公衆衛生及び社会福祉の向上を図り，もってすべての国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営むことができるようにすることをいうのである」とある．

　この定義によると，リハビリテーションと社会保障との関連は，社会保障が事故の対象としている身心の障害を回復させ，あるいはその障害を克服して，社会生活を可能にする事であるという点である．