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第5土曜特集 アルツハイマー病――研究と治療の最前線
社会医学・政策
認知症と社会保障
Dementia and social security
粟田 主一
1
Shuichi AWATA
1
1東京都健康長寿医療センター研究所認知症未来社会創造センター
キーワード:
社会保障
,
介護保険法
,
地域包括ケアシステム
,
地域共生社会
,
共生社会の実現を推進するための認知症基本法
Keyword:
社会保障
,
介護保険法
,
地域包括ケアシステム
,
地域共生社会
,
共生社会の実現を推進するための認知症基本法
pp.1100-1105
発行日 2023年12月30日
Published Date 2023/12/30
DOI https://doi.org/10.32118/ayu287131100
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高齢者の社会保障については,高齢者人口の増加や社会保障給付費の増大を背景に,“老人福祉法と老人保健法”,“介護保険法と地域包括ケアシステム” の時代を経て,“地域共生社会の実現” という新たなコンセプトに基づく制度改革が進められつつある.一方,認知症については超高齢期を生きる独居認知症高齢者の増加,社会的孤立と社会的支援ニーズの複雑化,当事者の声の高まりとともに,認知症とともに生きる人々の基本的人権の確保を基本理念とする認知症フレンドリー社会の創出に向けた新たな動きが現れている.2023年に成立した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」は,そのような2つの潮流の合流点にあるものといえよう.当事者の意思の尊重と意思決定支援を前提に,“共生社会” という共通ビジョンの実現に向けて,分野横断的な(“縦割り” の壁を越えた,官民連携による)制度改革を具体化させることが,認知症とともに生きる人々の社会保障の今日的な課題である.
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