Japanese
English
特集 動作分析
上肢の動作分析
Motion Analysis for Upper Limb Movements.
岡田 良知
1
Yoshitomo Okada
1
1産業医科大学人間工学
1Dept. of Human Factors Engineering, University of Occupational and Environmental Health, School of Medicine.
キーワード:
測定
,
分祈
,
復職
Keyword:
測定
,
分祈
,
復職
pp.231-237
発行日 1982年2月10日
Published Date 1982/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104696
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はじめに
リハビリテーションでは常日頃,患者に対して多彩な訓練と評価の項目を計画に従い綿密に施している.そして,そのつど動向を的確に見極めて訓練課目を選択していくことが重大な使命となっていると考えられる.心身障害により狭められた機能を正しく評価して効果的な訓練を施し,個人の能力レベルを可能なかぎり高いレベルに能率よく高めていくことが,患者を速やかな日常生活と社会生活の拡大・自立に結びつけることになる.
上肢のリハビリテーションには,動作の構成に始まり,ROMの拡大・筋力の増強・巧緻性の学習など種々の訓練を重ねることでADLの拡大と職業能力の習得に至る一連の過程がある.この過程の中で種々の項目を評価する必要が生じるわけである.評価の内容には主として2つある.ひとつは,
「障害に伴う患者自身の動作レベルの評価」
もうひとつは,
「患者個人個人に施すひとつひとつの訓練に伴う動作の改善レベルの評価」
前者が患者の現状についての評価であるとすれば,後者は訓練の効果についての評価である.通常は両者は一体となり,全体的な視点から評価を施すことになると思うが,その判断には経験則による部分が多くなると思われる.この評価をより物理的に的確に下すのに有効な手段のひとつが上肢の動作解析といえる.
ここでは上肢の動作解析を特にバイオメカニズム的見地・人間工学的見地および工業経営的見地から解説することを試みた.特に物理量として把握するための有効な測定手法と,解析手法を最終的にADL・職能の評価習得に結びつけることを意図して記述した.
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