Japanese
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講座 リハビリテーション医のためのリウマチ・膠原病入門(12)
べーチェット病
Rheumatism and Collagen Disease. 12: Behçet's Disease.
橋本 喬史
1
Takashi Hashimoto
1
1帝京大学医学部第二内科
1Second Department of Internal Medicine, Teikyo University School of Medicine.
キーワード:
べーチェット病の概念
,
リハビリテーション
Keyword:
べーチェット病の概念
,
リハビリテーション
pp.973-979
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104664
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Ⅰ.概念
ベーチェット病(以下BDとする)は,1937年トルコ・イスタンブール大学皮膚科べーチェット(Behçet,H.)教授により口腔粘膜,外陰部および眼部の再発性アフタ性潰瘍を3主徴とする新疾患として提唱されたが,その後臨床観察例の増加に伴い,本症の臨床像は漸次明らかにされ,眼病変としては角膜潰瘍や上強膜炎よりもむしろ前部および後部ブドウ膜炎が本質的病変であることが明らかになった.また,発現する症状は皮膚・粘膜・眼の領域に限局するものではなく,他に関節,消化管とくに腸管,血管系,中枢神経系,副睾丸,肺臓,腎臓など広範に全身性の多彩な症状を示すことが判明した.本症は滲出傾向の強い急性炎症を反復しつつ遷延経過をとる全身性炎症性疾患である.
一方,本症に類似する皮膚・粘膜・眼病変を呈する疾患群があり,これらは皮膚・粘膜・眼症候群(mucocutaneo-ocular syndromes)の名称の下に一括されており,BDもこの疾患群の範疇に包括されているが,明らかに他疾患と区別される一疾患単位をなすものである.皮膚・粘膜・眼症候群は1958年文部省<皮膚・粘膜・眼症候群総合研究班>の討議を経て,表1に示すように分類整理されている.
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