Japanese
English
特集 悪性腫瘍とリハビリテーション
片側骨盤切断術の手術手技と術後リハビリテーションの検討
Hemipelvectomy: Technical Aspects and Postoperative Rehabilitation.
田島 達也
1
,
山岸 豪
2
Tatsuya Tajima
1
,
Tsuyoshi Yamagishi
2
1新潟大学医学部整形外科
2新潟大学医学部リハビリテーション部
1Deptartment of Orthopaedic Surgery, Niigata University School of Medicine.
2Division of Physical Medicine and Rehabilitation, Niigata University School of Medicine.
キーワード:
片側骨盤切断術
,
片側骨盤切断後のリハビリテーション
Keyword:
片側骨盤切断術
,
片側骨盤切断後のリハビリテーション
pp.879-884
発行日 1980年11月10日
Published Date 1980/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104421
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
四肢切断術を余儀なくされる主要な原疾患は,外傷,動脈閉塞性疾患および悪性腫瘍であるが片側骨盤切断術hemipelvectomyは専ら悪性腫瘍が対象となる点が特徴的といえる.
ところでこの手術については以下の三つの重要な問題点がある.
1)この手術は下肢のより遠位レベルの切断と比べ著しく侵襲が大きく,他方悪性腫瘍の転移様式を考えると手術適応が問題となる.
2)腫瘍の拡がり―特に大腿部に限局しているか,骨盤部が原発か骨盤部に浸潤しているか―により手技上の差違を生ずる,当然手術の難易度も著しく変る.
3)術後患者を家庭及び社会生活に復帰させるため義足を含むリハビリテーション法が下肢のより遠位レベル切断例より遙かにむずかしい.
著者らは昭和45年7月以降昭和53年4月までの約8年間に,7例に本手術を施行しその後義足作製,それによる歩行訓練,その他のリハビリテーション訓練を行って来たのでその経験にもとづき以上の三つの問題点について,腫瘍の局在の差による手技上の問題,術後リハビリテーションの問題,最後に以上の二つの問題の結論に,さらに7症例中4例は既に術後5年以上経過しているので,生命の予後を併せ考たえ本手術の適応の考察の順序で述べてみたい(表1).
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.