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編集後記
千野 直一
pp.680
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104380
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本号の特集として「頸椎の異常とリハビリテーション」をとりあげた.頸部痛を主訴とする患者はリハビリテーション医療ではあいかわらず多く,さらに最近は,後縦靱帯骨化症が厚生省の特定疾患に加えられるなど,あらためて「頸椎の異常」に焦点をしぼってリハビリテーション上の問題点をうきぼりにする必要があると思われる.そして,頸髄損傷とは別の観点から,この分野での第一人者の先生方に御執筆いただいた.
まず,津山氏は厚生省の特定疾患研究班の調査をもとに,後縦靱帯骨化症の実態について,ことにこの疾患がアジア諸国に多くみられるが,まだ,その病因が全く不明であること,しかし,治療法として頭蓋直達けん引や頸部コルセットの保存的方法が有効であることなどをしめされた.つぎに,石田氏は頸肩腕症候群というものと,他の疾患群との関連,また病因など明解に説明して下さり,ことにADLの指導が治療上で重要なポイントであると指摘されておられる.
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