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編集後記
千野 直一
pp.898
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104235
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今月の特集には「性の問題」をとりあげた.これはリハビリ医学が人間性の復権を求めるものであれば,必然的に当面しなければならないものといえる.しかしながら,患者のもつ性の悩みは医療者の悩みでもあり,この問題については患者も医療者もタブーとしてさけて通ってきたのが現状であろう.
米国においてリハビリ患者,ことに脊損者に対する性教育がはじめられて10年たち,今や医学生にも講義がおこなわれている.東洋思想をもつ日本人はこういう問題については,とかくにがてだという話もきくが,敬虔なキリスト教思想をもつ人々はもっと性に対して開放的であると考えるのはまちがっていよう.事実,筆者も米国での脊損者に対する性教育のワークショップに出席して,いかにリハビリ医療者が患者と,また,スタッフ同士でfrankに話しあえる雰囲気をつくるのに苦労しているかを経験した.
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