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編集後記
千野 直一
pp.1122
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106956
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リハビリテーション医学のアイデンティティが叫ばれて久しい.この背景には,従来の臓器別の医学の進歩と異なり,“運動機能の障害”を中心とするリハビリテーション医学は他の専門分野の医療職からも完全には認められているとは言いがたい面があるからである.
“心疾患のリハビリテーション”は,循環器を専門とする医師も当然施行しているが,最近はリハビリテーション医学の分野でも多くの患者を取り扱うようになった.この領域は患者に対して医療者側のより密接なチームワークが必要とされる.十数年前に,筆者の病院で“心疾患リハビリテーション”を開始したとき,循環器内科の医師と我々で“合併症のない心筋梗塞症の患者で,急性期を過ぎたものはリハビリテーション科のスタッフが日常生活などの面で患者のケアに携わる”という役割分担を行い,チーム医療を進めてきた.すなわち,循環器内科の医師は急性期の心疾患患者の治療に忙しく,また研究課題の多さゆえに日常生活動作や社会復帰などの問題はリハビリテーション科に任せたいという合意を得て現在に到っている.
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