Japanese
English
特集 失調症
運動失調症の障害評価と薬物療法
Evaluation and Medical Treatment of Ataxia.
間野 忠明
1
Tadaaki Mano
1
1浜松医科大学第2生理学教室
1Department of Physiology, Hamamatsu University School of Medicine.
キーワード:
運動失調症
,
障害評価
,
薬物療法
Keyword:
運動失調症
,
障害評価
,
薬物療法
pp.101-105
発行日 1980年2月10日
Published Date 1980/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104269
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はじめに
運動や姿勢の制御には視覚,前庭感覚,筋の固有感覚などの求心性入力に依存する複雑な反射機構が関与している.運動失調(ataxia)とはそれらの求心性入力やその統御機構の障害により発現する症候であり,運動系の出力の障害による麻痺(paralysis)とは明らかに区別される.運動失調を主徴とする運動失調症にはさまざまなものがあリ,小脳,前庭系,脊髄,末梢神経などの病変によるもののほか,大脳皮質の障害によるものもあるが,これらのうち小脳と脊髄の病変を主体とするいわゆる脊髄小脳変性症がとくに重要である.
脊髄小脳変性症の的確な治療法は従来ほとんど見当らなかったが,最近TRH(thyrotropin releasing hormone)療法などの新しい薬物療法が開発され,この難治性疾患の治療にもいとぐちが見出されつつある.本稿ではまず運動失調症とその障害の評価法について概説し,ついで薬物療法などの最近の新しい治療法について述べる.
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