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講座
リハビリテーション医のための循環器入門(5)―慢性呼吸器疾患,肺性心
Cardiology for Rehabilitation Doctor (5): Chronic Respiratory Disease and Cor Pulmonale.
土肥 豊
1
Yutaka Dohi
1
1埼玉医科大学第二内科
1Department of Internal Medicine, Saitama Medical School.
キーワード:
慢性呼吸器疾患
,
肺性心
Keyword:
慢性呼吸器疾患
,
肺性心
pp.387-391
発行日 1979年5月10日
Published Date 1979/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104160
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はじめに
慢性呼吸器疾患は,本講座(3)ですでに述べた虚血性心疾患とともに中年以降におけるリハビリテーション訓練に際して常に阻害因子としてはたらく重大な病態である.それと同時に,疾患それ自身がリハビリテーション・トレーニングの対象となる点においてもまたリハビリテーション医学の分野における大きなカテゴリーの一つである.
食事中のコレステロールをはじめとする脂肪の問題が虚血性心疾患における重要なリスク因子であったように,慢性呼吸器疾患においては,大気汚染をはじめ多くの因子が関与する公害や,個人的にはタバコの問題など,われわれをとりまく環境因子とのかかわりあいがさらに強い点で注意をはらわねばならない.言いかえれば,慢性呼吸器疾患のリハビリテーションを考えるにあたっては,環境因子の排除ということが最も初めに考慮されるべき重要な因子と考えられる.
さて,慢性呼吸器疾患は大きく分けると次の3つに分けられる.即ち,
①慢性閉塞性肺疾患
②慢性拘束性肺疾患
③その他の慢性呼吸器疾患
である.このうち,リハビリテーション医学上とくに問題となるのは「肺気腫」を中心とした慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive lung disease,COLD)であろう.以下,これを中心に,とくに肺性心との関連でのべることにする.
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