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特集 非外傷性脊髄麻痺のリハビリテーション
非外傷性脊髄麻痺の鑑別診断
Differential Diagnosis of Nontraumatic Spinal Paralysis.
安藤 一也
1
Kazuya Ando
1
1岐阜県立多治見病院神経内科
1Dept. of Neurology, Gifu Prefectural Tajimi Hospital.
キーワード:
myelitis
,
myelopathy
,
脊髄性麻痺
Keyword:
myelitis
,
myelopathy
,
脊髄性麻痺
pp.793-801
発行日 1977年11月10日
Published Date 1977/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103869
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はじめに
麻痺という用語の用い方は一定していないが,ここでは上位または下位運動ニューロン障害による機能障害と規定する.非外傷性脊髄麻痺は外傷以外の原因による脊髄実質の病変に基づく麻痺をさす.脊髄実質の上位運動ニューロン障害は錐体側索路の病変によるもので,下位運動ニューロン障害は前角のα運動神経細胞の病変によるものである.
非外傷性脊髄麻痺は原因も発症様式も病変部位も経過もきわめて多彩である.多くの場合は臨床特徴,髄液検査,脊椎XP,脊髄造影,血液諸検査,筋電図などにより診断は可能であるが,診断の困難な例も少なくない.最近では選択的脊髄血管撮影がかなり普及し,CTスキャンも脊髄疾患に利用され始めているが,横断面積の狭さから脳疾患におけるほどの威力は期待できない.
ここでは非外傷性脊髄麻痺について概説し,その鑑別診断の要点について述べることにする.
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