Japanese
English
特集 手とリハビリテーションⅠ
上肢障害(欠損)児に対する排泄処理等の補助具
Toileting Aids for Children with Dysmelia.
五味 重春
1
Shigeharu Gomi
1
1筑波大学(心身障害学系)
1The University of Tsukuba, Institute of Defectology.
キーワード:
上肢障害(欠損)児
,
排泄処理補助具
Keyword:
上肢障害(欠損)児
,
排泄処理補助具
pp.439-442
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103800
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まえがき
昭和36年から38年頃に発生したサリドマイドに因る先天性上肢障害(欠損)は,当時の大きな社会的問題の一つであった.これらの児童は成長し,今や中学年齢の終りに達している.高校進学を控え,心理的・身体的諸問題に遭遇しているが,わけても日常生活動作において種種の障害がみられる.
上肢の完全欠損(Amelia)はもちろんのこと,部分欠損(Phocomelia)児は,上肢が短く,手指の機能が不十分なために,日常の更衣動作,とくにズボン下着類の上げ下げ,排便後の清拭に支障をきたしている.
幼少時は母親等の介助に甘んじてきたが,今や心理的にも羞恥心が現れ,また排便後の清拭が不自由なため,外出が消極的になり,積極的な戸外活動が乏しくなってくるきらいがある.
従ってこれらの障害を克服させるため,排泄処理の器具を開発し,問題の解決を図り,下肢障害児の健全な心身の育成をねらいとして委員会が発足した.
排泄処理補助具委員会(表1)は,子供たちの未来をひらく父母の会(前理事長・飯田進)によって昭和46年8月に設立され,表2のごとき約3ヵ年にわたる経過をたどって,排泄処理補助具を考案し,試験的使用を重ねて改良を加え,一応の成果を得た.
編集室のもとめに応じ,補助具の最終的製品をここに紹介し,さらに読者諸賢のよりよいアドバイスを頂ければ幸甚である.
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