Japanese
English
特集 リハビリテーション看護
リハビリテーション病棟におけるナースの役割
The Role of the Nurse in the Ward of Rehabilitation.
大山 好子
1
,
小野 里美
1
Yoshiko Oyama
1
,
Satomi Ono
1
1東京都養育院病院
1The Yoikuin Tokyo Metropolitan Hospital.
キーワード:
老人
,
リハビリテーションチーム
Keyword:
老人
,
リハビリテーションチーム
pp.188-193
発行日 1977年3月10日
Published Date 1977/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103752
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はじめに
リハビリテーション病棟におけるナースの役割を簡単にいえば,疾病,障害により機能低下をきたした患者に対し,各パートと協力して早期に社会または家庭へ復帰させるための,継続的な働きかけといえるであろう.言葉にすれば簡単であるが,個々の患者の社会的・心理的・経済的背景を理解し,それぞれの患者のニードにあった看護を展開してゆくことは容易なことではない.特に老人の場合,社会的,家庭的に主たる役割りを終えた人が多いため,障害をのりこえ積極的に生活してゆこうとの意欲に欠けることが多い.老人でなくても病気,事故等で予期せぬ障害を負った時,その後の人生に対し不安と焦躁を抱き,一瞬生甲斐を喪失し,自己の障害をうけとめることが困難と思われるが,一時期をすぎれば,障害をうけとめ前向きに人生の意義をみつめ,生きる努力をするようになるが,老人の場合,身体的機能低下はもちろんのこと心理的にも抵抗力の.低下が著明であり,自己の障害に対しても受入れが困難で,いたずらに自由に動けた過去をうらやみ,現実をみつめる態度に欠け,意欲の低下をきたすか,逆に自己に残された機能を正確に把握できず,能力以上のことをしようとして転倒するなど,リハビリテーションを阻害する因子をもっている.このような患者に接するナースは老人に対する深い理解と愛情が要求されるが,それ以前の問題として人間に対する深い洞察力が必要と思われる.
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