Japanese
English
特集 心疾患のリハビリテーションⅡ
冠動脈外科の現況
Surgery for Ischemic Heart Disease.
鈴木 章夫
1
Akio Suzuki
1
1順天堂大学胸部外科
1School of Medicine, Juntendo University.
キーワード:
狭心症
,
心筋硬塞
,
大動脈・冠動脈バイパス術
Keyword:
狭心症
,
心筋硬塞
,
大動脈・冠動脈バイパス術
pp.114-120
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103741
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はじめに
狭心症,心筋硬塞並びにその合併症は,一度罹患すると不治の病として,病気と共に生活する術を医師に教えられ,患者は薬びんを片手に生活し,何時起こるとも知れぬ「死の恐怖を思わせるような激痛」のためにその社会生活は全くCrippleの状態に置かれるのが今日までの心筋硬塞,狭心症患者のたどる道であった.しかし,1967年にCleveland ClinicのFavaloro Effer1)等によって始められた冠動脈の外科的手術,大動脈・冠動脈バイパス術(Aorto-coronary artery bypass procedure,略してA-Cバイパス術と言う)は,その様相を全く一変させた.今日,A-Cバイパス術は米国ではもっともpopularな手術となり,米国で行われる全外科のいかなる手術よりも普及し,胸部外科医のいる所では必ずこの手術が行なわれるようになった.手術後,狭心症,心筋硬塞の患者は,もはや薬びん片手の,死の恐怖に直面する生活より脱却して社会復帰を行い,社会の一員として生産的な活動に従事できるようになった.
本稿では,現在冠動脈外科に使用されている術式を説明すると共に,その手術成績,つづいて患者のリハビリテーションについて述べてみる.
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