Japanese
English
特集 脊髄損傷のリハビリテーション
車椅子用クッションに関する工夫
Our New Pad for Wheelchair Patient.
木村 哲彦
1
,
橋倉 一裕
1
,
初山 泰弘
1
,
渡辺 修身
1
,
鈴木 正彦
1
,
武田 功
1
,
川井 伸夫
1
Tetsuhiko Kimura
1
,
Kazuhiro Hashikura
1
,
Yasuhiro Hatsuyama
1
,
Osami Watanabe
1
,
Masahiko Suzuki
1
,
Isao Takeda
1
,
Nobuo Kawai
1
1国立身体障害センター
1National Rehabilitation Center for Physically Impaired.
キーワード:
脊髄損傷
,
褥創予防用マット
Keyword:
脊髄損傷
,
褥創予防用マット
pp.388-391
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103548
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はじめに
外傷性脊髄損傷を主とする対麻痺,四肢麻痺の患者が,彼等の基本的な姿勢の一つとも言うべき坐位を保持する時間は,健常な者に比較すると極めて長時問に及び,1日12時間を越すことも決して稀なこととは言えない.
彼等のほとんどの者は,通常補装具として車椅子を使用しており,座面との接触部に生ずる褥創については,それを予防する立場の患者,障害者にとっても,治療,指導をするわれわれ医療スタッフにしても常に難渋を極めている問題と言える.褥創に関わりのある問題として,姿勢脊柱骨盤の態度との相関,体圧の分布等が挙げられ,その発生原因については物理的原因が主であることが知られ,それに対処するために数多くの方法が採られている.クッション材としての座布団類も数多く市販されている.極くありふれた綿花製座布団,ゴム製ドーナツ型円座,水の浮力を利用しているウォータークッション,滑表面米粒体をパックしたデキュビテックス,ゲル状高分子化合物を用いたフローテーションパッド等が用いられており,その中でも最も多く用いられているのが各種スポンジ材を用いたもので各種の特長をそなえている.現在のところ最も優れた方法としてフローテーションパッドに併せて通気材,吸湿材としての補助材を用いる方法がとられている.われわれは坐骨部褥創の発生メカニズムを知った上で諸条件を満たす最も理想に近い型の坐布団を考案試作したので紹介する.
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