Japanese
English
特集 脊髄損傷のリハビリテーション
尿失禁防止のための外括約筋電気刺激装置
Electric Stimulation for Urinary Continence.
中新井 邦夫
1
Kunio Nakaarai
1
1星ケ丘厚生年金病院泌尿器科
1Department of Urology, Hoshigaoka Welfare Pension Hospital.
キーワード:
尿失禁
,
外括約筋電気刺激
,
神経因性膀胱
,
脊髄損傷
,
二分脊椎
Keyword:
尿失禁
,
外括約筋電気刺激
,
神経因性膀胱
,
脊髄損傷
,
二分脊椎
pp.385-387
発行日 1976年5月10日
Published Date 1976/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103547
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膀胱の外括約筋群として重要な意味を持つ筋肉は男子の場合,坐骨海綿体筋と球海綿体筋,浅深会陰横筋および肛門括約筋,女子の場合は尿道周囲の横紋筋,浅深会陰横筋および肛門括約筋である.これらの筋肉が収縮することにより尿道は圧迫され,膀胱底部が挙上される.これらの筋肉は陰部神経により支配される.これらの筋肉群は,膀胱内の尿量に応じて収縮の状態が変化し,弱い収縮から筋電図上groupingと表現されるような強い収縮までの幅広い変化で,反射的に膀胱内圧の変化に対応する反射的尿禁制機構である.これ以外に膀胱の筋層自身が膀胱頸部で作り上げる解剖的構造と膀胱底部と尿道とが作る角度および下腹神経が関係する後部尿道の内圧が,別な尿の禁制機構である.膀胱頸部と後部尿道のみの機構で,臨床的には約23cm水柱程度の内圧に堪えられる.これに外括約筋の反射的収縮が加わって50cmないし80cm水柱程度の膀胱内圧の上昇に堪えて,尿の禁制を保つことができる(中新井,1973).
外括約筋のみを利用する尿の禁制法はこれらの事実を考え合わせると,次のような点で,本来不完全なものである.
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