Japanese
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紹介
米国における重症神経疾患のリハビリテーション―特に呼吸管理
Rehabilitation of The Severest Neurologic Diseases in U.S.A., With Special Reference to Respiratory Care.
三好 正堂
1
Seido Miyoshi
1
1九州労災病院リハビリテーション科(現在九州厚生年金病院リハビリテーション科)
1Rehabilitation Center, Kyushu Kosei Nenkin Hospital.
キーワード:
重症神経疾患のリハビリテーション
,
呼吸管理
Keyword:
重症神経疾患のリハビリテーション
,
呼吸管理
pp.586-592
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103373
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はじめに
著者はわが国で臨床神経学を学んだ後,米国ニューヨーク大学リハビリテーション科で研修する機会に恵まれたが,特に印象的であった重症神経疾患のリハビリテーション,特に呼吸管理について報告したいと思う.
神経疾患に伴う呼吸障害は多く,著者自身かなり苦心した経験があるが,成果は必ずしも満足できるものではなかった.特に変性疾患(とくに筋萎縮性側索硬化症)の場合,BirdやBennett呼吸器を用いても,患者の苦悶を十分緩和できず,徒らに苦痛な生命を長びかせるのみではないかと疑問に考えることも稀でなかった.また重症筋無力症の場合でも,今ふり返ってみると,呼吸管理が不十分なため死亡させていた例があるように思えてならない.
この点では,New York University,Goldwater Memorial Hospital(GMH)で行われている治療は目をみはるものがあった.後述するように多種類のrespiratorが,1人1人の患者の呼吸状態を十分評価して処方され,重症神経疾患患者が驚くほど長期間生存し,しかも平和に生きていた.この報告は,わが国においても優れたrespiratorが輸入・製造され,充実した医療が行われる日が1日も早いことを念じつつ,GMHに1971年3ヵ月間勤務したときの体験と,1973年暮の帰国直前に追跡調査したデータをまとめたものである.
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