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講座
リハビリテーション医のための呼吸器入門(6)―脊髄損傷における呼吸機能障害とその管理
Pulmonary and Respiratory Medicine for Rehabilitation Doctor (6) Respiratory Disturbance and It's Management in Spinal Cord Injuries.
山本 敬雄
1
,
児玉 喜直
1
Yoshio Yamamoto
1
,
Yoshinao Kodama
1
1神奈川総合リハビリテーションセンター病院外科
1Department of Surgery, The Kanagawa Rehabilitation Center Hospital.
キーワード:
脊損時換気障害
,
呼吸管理
Keyword:
脊損時換気障害
,
呼吸管理
pp.475-480
発行日 1980年6月10日
Published Date 1980/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552104341
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はじめに
一概に脊髄損傷(以下脊損)といっても,損傷の程度および範囲,その髄節のレベルによって生体に与える障害の影響は必ずしも一様ではなく,症例によってまちまちである.たとえば脊髄のあるレベルでの損傷が完全であるか,不完全であるかによって麻痺の程度は異なるであろうし,頸髄や上部胸髄における損傷と下部腰髄,仙髄での損傷では,あらわれてくる病像は当然異なったものとなり,その合併症や後遣症に対する治療方針や,リハビリテーションの過程における医学的配慮も症例ごとに千差万別であるといってよい.
また脊髄ショック時には,運動や知覚路の遮断とともに自律神経系への障害にもとずく多彩な症状が同時に起こって,しかもこれらが関連しあって更に状態を悪化させることがあり,十分な全身管理が求められる.とくに高位レベルでの脊損では,直接生命を脅かす事態に至ることすらありえる.この意味からも全体的視野に立って個々の病像をとらえて,これに対処する必要があると考える.
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