特集 リハビリテーションと心理
職業心理学の最近の動向
藤本 喜八
1
1立教大学
pp.480
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103357
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〈1〉
職業心理学は仕事と人間とのかかわり方・相互作用を研究する学問だといってよかろう.それは,産業心理学とともに今世紀はじめからはじまったが,その主題と方法とは1950年ごろを境に大きく二分できる.
すなわち,前期においては,「特性・要因」的なアプローチ(traits-factor approach)でもって,差異心理学(differential psychology)的な視点でもって①各職業の特微・差異を解明すること(職業分析job analysis),②各職業に従事しているもののうち,そこで成功しているものと然らざるものとの心的能力の差異を明らかにし,よってもってその職業に従事するのに必須な心的能力を抽き出すこと(所要条件の設定),③各個人の心的能力の差異を測定すること(精神測定法),などを主題として研究されてきた.
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