特集 リハビリテーションと心理
セラピストの個性
鈴木 明子
1
1府中リハビリテーション学院
pp.478
発行日 1975年6月10日
Published Date 1975/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103355
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人と人との関係をスムーズに保つのは健康な人同士でも難しいものである.まして一方が助けを必要とする障害者の場合にはセラピストはそれなりの役割を担うことになる.もし仮に医療コンピューターがあったとして,障害者が自分の問題点をパンチカードに記入して,答を得たとする.確かに薬剤や医療器具の使用法などは分かるであろう.しかし微妙な心理面への支持や,心理的負担のかける量・質・時間・場所・かけ方等はその瞬間や情況によって変化するので,機械には頼れない.
セラピストは各自が個性をもっている.現在のように数の少なすぎる状態ではますます個性の強化作用が起こりやすい.個性を殺すことで無色透明な人間に変わる必要は一切ないが,個性の持ち味に,セラピストらしさを加味するほうが治療効果は上がる.それで,これまで接したセラピスト達から学んだものや私個人の意見を融合して望ましいセラピスト像を個条書きしてみたい.
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