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講座
脳性麻痺の神経病理学(2)―臨床像との相関と病因・病態発生論を中心に―(その2-A)点頭痙攣と関連急性剖検例
The Neuropathology of Cerebral Palsy with Special Reference to Relationship to Clinical Features and Etiopathogenesis: Part Ⅱ-A Infantile Spasm and Related Acute Autopsy Case.
白木 博次
1
Hirotsugu Shiraki
1
1東京大学医学部脳研究所病理部
1Department of Neuropathology, Institute of Brain Research. Tokyo University Medical School.
キーワード:
点頭痙攣
,
難治性小児テンカン群
,
Leigh病
,
病因・病態発生論
Keyword:
点頭痙攣
,
難治性小児テンカン群
,
Leigh病
,
病因・病態発生論
pp.135-150
発行日 1974年2月10日
Published Date 1974/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103098
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【抄録】 点頭痙攣で初発する難治性小児テンカンは,主として痙性麻痺ときにアテトーゼをまじえる脳性麻痺を合併する重症心身障害児である.その神経病理学の中核は,Dissociation glio-myeliniqueを基盤とし,特定核神経細胞の高度脱落をともなう病巣が,脳幹,間脳さらに大脳白質に,左右対称性かつ広汎に分布する点にある.病巣のこの特徴的な局在選択性は,胎生期,胎生期から乳児期,また乳幼児期に,それぞれ決定されていくが,それらは,小児のLeigh病にも再現に近いものがある.ただし,後者は進行性の臨床経過に対応して,新旧両病巣が同一脳に共存するが,前者は非進行性のそれに対応して,単相性,陳旧性病変を明示し,また血管病変の有無の点でも,両者は鑑別できる.しかし,Leigh病で明らかとなりつつある病因論は,成人のWernicke脳症,小児のWilson病との対比において,前者疾患の病因理解に寄与できる面がある.また両疾患の病態発生機構の理解に貢献しうる最急性期の一乳児の脳病理も論じた.
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