Japanese
English
研究と報告
血友病性膝関節症に対する長下肢装具の応用
Application of long leg brace to hemophilic arthropathy of knee joint.
陣内 一保
1
,
檜山 建宇
1
,
佐藤 功
1
,
古橋 一正
1
,
井沢 淑郎
1
,
長尾 大
2
Kazuho Jin-nai
1
,
Ken-u Hiyama
1
,
Isao Sato
1
,
Kazumasa Furuhashi
1
,
Toshiro Izawa
1
,
Takeshi Nagao
2
1神奈川県立こども医療センター整形外科
2神奈川県立こども医療センター整形外科血液科
1Dept. of Orthopedic Surgery, Kanagawa Children's Medical Center.
2Dept. of Haematology, Kanagawa Children's Medical Center.
キーワード:
血友病
,
血友病性関節症
,
長下肢装具
Keyword:
血友病
,
血友病性関節症
,
長下肢装具
pp.829-834
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102994
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【抄録】血友病による異常出血のなかで,関節内出血,筋肉内出血とそれに伴う神経麻痺は,四肢の機能障害をもたらし,整形外科,リハビリテーションの面で問題となる.関節内出血で最も頻度の高い膝関節内出血に続く血友病性関節症の保存的治療の一環として,長下肢装具を8例に応用した.この装具の目的は,①大腿四頭筋の筋力低下により,支持性を失った膝関節を保持すること,②拘縮のある膝関節に,その可動域を超えた運動を強制するために生ずる出血を,制動作用により防止すること,③直接外力から膝関節を守ること,である.装具の装着中,出血予防の効果は全症例とも達せられ,大腿四頭筋筋力も回復の傾向がみられた.AHGなどの補充療法による出血防止に,抗体産生,肝炎などの副作用の可能性の否定できない現状において,長下肢装具による関節内出血予防の利点は今後十分検討に値するものと思われる.
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