書評
小野次朗・榊原洋一 編「教育現場における障害理解マニュアル―障害とともに学ぶ」
小池 純子
1
1横浜市障害者更生相談所
pp.470
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102697
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平成14年12月に示された「障害者基本計画」(平成15年度から24年度分)では,教育・育成の基本方針として次のように述べられている.すなわち,「障害のある子ども一人一人のニーズに応じてきめ細かな支援を行うために乳幼児期から学校卒業まで一貫して計画的に教育や療育を行うとともに,学習障害,注意欠陥/多動性障害,自閉症などについて教育的支援を行うなど教育・療育に特別のニーズのある子どもについて適切に対応すること」であり,医療と教育の連携の重要性は言うまでもない.
現在,多様な発達障害,さまざまな障害レベルの子どもが早期療育を経験して学齢期を迎えるため,療育機関にとって教育との具体的な連携の始まりは就学相談である.また,療育機関ごとに行われている学齢障害児に対するフォローアップの取り組みも教育現場との情報交換,役割分担などきめ細かなやりとりが前提条件である.一方,要医療障害児の増加に伴い,治療と教育的支援の両立が障害児のニーズに応えるうえでの課題となっており,医療と教育の連携は必須である.
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