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Q1 ICUで人工呼吸器を装着した患者のリハビリテーションで重要なことは?
集中治療室(intensive care unit;ICU)では人工呼吸器を装着したままリハビリテーションを行う機会も多い.患者は重篤な病態に陥ってはいるが,呼吸機能に関しては人工呼吸器により保障されており,むしろ安心して,リハビリテーションに取り組める.重要なのは多職種による連携がうまくとれるかであり,主治医,ICU管理医師,看護師,臨床工学技士などとの情報共有が鍵となるので,カンファレンスやICUミーティングに努めて参加したい.
人工呼吸の基本戦略は,人工呼吸による肺障害を回避するための肺保護換気と,温存した自発呼吸を活用するために必要十分な補助を行うことである1).過鎮静による機械換気に頼るのではなく,極力自発呼吸を温存し横隔膜運動を維持することにより,背側無気肺の予防と換気,血流のマッチングを確保するのが望ましい.そのためにも換気モードとして気道内圧緩和換気(airway pressure release ventilation;APRV)が推奨されている2).高いcontinuous positive airway pressure(CPAP)レベル(20~30cmH2O)で自発呼吸を行わせ酸素化を改善させ,生じた換気障害に対してリリースと呼ばれる換気補助〔0cmH2Oまで一気にPEEP(positive end-expiratory pressure)を抜く〕を行うものである.リリースは0.5~1秒以内と短いため,肺胞の虚脱を起さずに平均気道内圧を下げることができる画期的な人工呼吸法である.また最近は新生児向けであった高頻度振動換気法(high frequency oscillatory ventilation;HFOV)に高齢者にも使える成人仕様も登場しており3),従来の同期式間欠的強制換気(synchronized intermittent mandatory ventilation;SIMV)と圧支持換気(pressure support ventilation;PSV)とともに理解しておく必要がある.
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