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Q1 新生児期からリハビリテーションの対象となる疾患は何か?
日本で生まれる新生児の約30人に1人はハイリスク因子をもつ児として新生児集中治療室(neonatal intensive care unit;NICU)へ入院する可能性がある1).NICUや新生児病棟に入院し,新生児期からリハビリテーションを必要とする主な新生児疾患を表12)に示す.新生児疾患には神経系疾患,染色体・先天奇形系疾患,呼吸循環器系疾患,早産・低出生体重児などがある.在胎37週以降に生まれた正期産児では,低酸素性虚血性脳症(hypoxic-ischemic encephalopathy;HIE)や先天異常によりリハビリテーションが必要となる児が多い.100人に1人は重症新生児仮死で,13人に1人は先天異常(合併程度の幅は広い)を有して出生し,一生涯医療的ケアを必要とする重症な障害をもつ児も増加している.
周産期医療において世界最高水準を誇る日本では,新生児死亡率は減少傾向にあり,在胎37週以前に生まれる早産児は増加傾向にある(1980年4.12%→2008年5.8%).早産児は在胎週数に応じた低出生体重を有し,出生体重1,000g未満の超低出生体重児や1,500g未満の極低出生体重児の出生率も増加傾向にある.日本での総出生数は年々減少傾向にあるが,出生体重2,500g未満の低出生体重児の出生は10人に1人になりつつある.早産・低出生体重児は,脳室周囲白質軟化症(periventricular leukomalacia;PVL),脳室内出血(intraventricular hemorrhage;IVH),慢性肺疾患(chronic lung disease;CLD)を発症しやすく,これらの疾患は発達予後に影響を及ぼしやすい3).
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