Japanese
English
研究と報告
wind-swept変形に対する理学療法の効果
Effective physical therapy for wind-swept deformity.
清水 克己
1
,
川上 途行
1,2
,
安西 広晃
1
,
熊井 初穂
1
,
大塚 友吉
1
Katsumi Shimizu
1
,
Michiyuki Kawakami
1,2
,
Hiroaki Anzai
1
,
Hatsuho Kumai
1
,
Tomoyoshi Ootsuka
1
1国立病院機構東埼玉病院リハビリテーション科
2慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, East Saitama National Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
脳性麻痺
,
wind-swept変形
,
Goldsmith Index
Keyword:
脳性麻痺
,
wind-swept変形
,
Goldsmith Index
pp.269-273
発行日 2012年3月10日
Published Date 2012/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102408
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要旨:〔目的〕wind-swept変形(以下,WD)の予防,改善については,少数患者や短期効果の報告が多く,定量的かつ継続的な訓練による効果の報告は少ない.今回,WDを呈する本院の入院患者に対し継続的な訓練を行い,効果について検討した.〔対象〕当院に入院中の脳性麻痺児(者)のうち,腰椎側彎とWDを有する10名で,全員が大島分類はⅠ,GMFCSはⅤであった.〔訓練方法〕腰椎凸側が上の側臥位訓練を30分間と,股関節のROM訓練を左右各5分間ずつ行った.実施頻度は週1回,期間は6か月とし,その後3か月間の観察期間を設けた.〔評価方法〕WDの非対称性評価のためにGoldsmith Index(GI)を,股関節の評価のために関節可動域(ROM)を,初期から3か月ごとに計測した.〔結果〕GIの変化:全被験者の平均値が62.5から,6か月時には44.0に減少し,9か月後には47.0に増加した.初期と6か月時点との比較で有意差が認められた.ROM値の変化:風上側で外転の6か月時点,9か月時点と外旋の6か月時点に,風下側で外転と伸展の6か月時点に初期との比較で有意差が認められた.〔結論〕GIとROMの経過から,本方法は6か月以上の訓練継続により改善を期待できるが,効果は長期的とは言えず,訓練は継続し続ける必要があることを示したと考える.本方法を日常的なポジショニングに取り入れ,週1回,40分間以上の頻度で6か月以上継続することで,WDが維持・改善する可能性があると考える.
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