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総説
脳卒中後の復職―近年の研究の国際動向について
Recent international trends of studies on return to work after stroke.
佐伯 覚
1
,
蜂須賀 研二
1
Satoru Saeki
1
,
Kenji Hachisuka
1
1産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health, School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
復職
,
研究方法
Keyword:
脳卒中
,
復職
,
研究方法
pp.385-390
発行日 2011年4月10日
Published Date 2011/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102041
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はじめに
わが国の脳卒中の罹患率は年間20万人と推定されている.脳卒中の罹患率は年齢が進むにつれ増加するが,重要なことは「若年」の人々にも生じることである.脳卒中罹患者の1/3~1/4は65歳未満である.「若年」脳卒中患者にとってのゴールは社会復帰であり,そのなかでも職業復帰(復職)が重要である.
リスクファクターの管理による脳卒中予防や急性期医療の進歩,回復期リハビリテーション病棟や地域連携パスなど,脳卒中を取り巻く医療状況の大きな発展にもかかわらず,脳卒中後の復職率は20年前と比べて大きな違いはない.失業という大きな経済的損失にもかかわらず,脳卒中の復職に関する研究,臨床活動および社会的支援が進んでいないことが指摘されている1,2).
近年,国際生活機能分類(ICF)の影響もあり,社会参加が注目されている.それとともに,脳卒中の復職研究の方法や考え方にも変化がみられている.このような背景のもと,本稿では近年の脳卒中の復職研究に関する国際動向について概説する.
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