Japanese
English
症例報告
自家肺移植術に対し周術期理学療法を施行し早期復職できた1例
Early return to work as a result of perioperative physical therapy for a lung cancer patient after autologous lung transplantation: a case study
舩津 康平
1
,
久原 聡志
1
,
縄田 佳志
1
,
矢野 雄大
1
,
村上 武史
1
,
賀好 宏明
1
,
越智 光宏
2
,
佐伯 覚
2
Kohei Funatsu
1
,
Satoshi Kuhara
1
,
Keishi Nawata
1
,
Yudai Yano
1
,
Takeshi Murakami
1
,
Hiroaki Kako
1
,
Mitsuhiro Ochi
2
,
Satoru Saeki
2
1産業医科大学病院リハビリテーション部
2産業医科大学リハビリテーション医学講座
1Department of Rehabilitation, Hospital of University of Occupational and Environmental Health
2Department of rehabilitation Medicine, University of Occupational and Environmental Health
キーワード:
肺癌
,
自家肺移植
,
理学療法
,
復職
Keyword:
肺癌
,
自家肺移植
,
理学療法
,
復職
pp.69-72
発行日 2022年1月10日
Published Date 2022/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202407
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要旨 [はじめに]肺癌はがんのなかでも累積復職率が低い.自家肺移植術が施行された非小細胞肺癌症例に対して,周術期理学療法を実施することで,良好な身体機能を維持し早期復職を果たすことができた.本症例の経過および復職に関する知見を含めて報告する.[症例]60歳台男性,左肺上葉扁平上皮癌(ⅢA)と診断された.術前化学療法後,手術目的で入院した.Medical Research Council息切れスケール1で日常生活は自立し,デスクワーク中心の仕事をしていた.[経過]理学療法は,術前は呼吸練習と有酸素運動,術後は集中治療室入室時からの早期介入ならびに筋力強化運動と有酸素運動を実施した.6分間歩行試験は術後8日目にほぼ術前の値まで改善し,酸素投与なしで日常生活動作も自立し自宅に退院した.術後約1か月で復職した.[結語]自家肺移植術後の肺癌患者に対しても周術期からの標準的な理学療法プログラムは有効であり,術後早期より社会参加を視野に入れた理学療法の重要性が示唆された.
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