巻頭言
多様なる「リハビリテーション」
細田 満和子
1
1ハーバード公衆衛生大学院
pp.107
発行日 2011年2月10日
Published Date 2011/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101960
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私の専門は社会学で,医療系の資格は何一つもっていないが,これまでに医療や福祉に関心をもって,主にインタビューや参与観察を合わせたフィールドワーク調査をもとに文章を書いてきた.この過程で実にさまざまな文脈において「リハビリテーション」との出会いがあったので,今回,改めてそれらを思いだしつつ記してみたい.
まず最初の「リハビリテーション」との出会いは,「チーム医療」という文脈においてである.従来の社会学において医療者同士の関係性は,権力論や組織論で論じられることが多く,医師とその他の職種は支配―被支配の構図で捉えられてきた.したがって,医療界でチーム医療に関心が高まってきている時,この構図とは別の医療者同士の関係性が描けるのではないかと思い,それを検証すべく調査を行った.そして医師,看護師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士などの多職種が協働するリハビリテーションこそ,まさにチーム医療の場であるという認識が現場で共有されていることを知ったのである.
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