ひろば
多様なニーズがある学生とともに成長を
稲葉 政徳
1
Masanori Inaba
1
1岐阜保健大学短期大学部リハビリテーション学科
pp.416-417
発行日 2019年4月15日
Published Date 2019/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201527
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実習指導者をさせていただくなか,次第に学生とのかかわりにやりがいを感じるようになった.スタッフからの「先生に向いてるんじゃないですか」の言葉が私に火をつけた.養成校の教員をめざすべく大学院の門を叩いた.すぐに専門学校教員の話が舞い込み,念願がかなった.やはり臨床施設の実習指導者とは勝手が違った.雑務の多さはもちろんであるが,個人的には多様ないわゆる「多様なニーズがある学生」の指導に四苦八苦してきた.
素行の悪さに加え,授業崩壊,盗難,落書きなど,「ここは中学校か?」と疑いたくなるほどの荒れようであった.もちろん他の学生への影響は大きい.真面目に受講している学生やその保護者からの対応に追われた.結局,2年余りの教員生活に別れを告げ,充電期間に入ることにした.養成校の教員はもうこりごりと思う反面,未練もあった.充電期間を利用し,「多様なニーズがある学生」について知るべく,いくつもの研修会や講演会に参加した.そこで遭遇したキーワードは「発達障害」,「うつ病」,「パーソナリティ障害」,「適応障害」,「場面緘黙」,「いじめ」,「不登校」,「ネット/ゲーム依存」などであった.前職教員時代は対応に苦慮し,ただ手をこまねいていた「彼ら」のことが少しずつわかるようになった.
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