Japanese
English
特集 高齢者の脊椎・脊髄疾患
脊柱靱帯骨化症
The ossification of the spinal ligament.
竹下 克志
1
,
中村 耕三
1
Katsushi Takeshita
1
,
Kozo Nakamura
1
1東京大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, The University of Tokyo
キーワード:
後縦靱帯骨化症
,
黄色靱帯骨化症
,
脊柱靱帯骨化症
,
椎弓形成術
Keyword:
後縦靱帯骨化症
,
黄色靱帯骨化症
,
脊柱靱帯骨化症
,
椎弓形成術
pp.501-504
発行日 2009年6月10日
Published Date 2009/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101523
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概 念
脊柱靱帯骨化症とは,脊柱靱帯(図1)の骨化により,主として神経障害を来す疾患である.ただし,骨化の存在自体は必ずしも病的意義があるとは限らないため,脊柱靱帯骨化と呼び,“症”をつけないほうがよい.
脊椎の前方に位置する前縦靱帯の骨化では,嚥下障害が生じる.脊柱管内に存在する後縦靱帯の骨化(ossification of posterior longitudinal ligament;OPLL)と黄色靱帯の骨化(ossification of the yellow ligament;OYL,またはossification of ligamentum flavum;OFL)では,しばしば神経圧迫症状を来す.臨床症状としては,①脊椎の痛みやしびれ,②体幹可動性の低下,そして③神経組織への圧迫による症状,すなわち,四肢不全麻痺や手足の痛みやしびれなどがあるが,一般的には神経症状の存在をもって後縦靱帯骨化症(図2),黄色靱帯骨化症(図3)とすることが多い.
これらは頸椎から腰椎すべてに起こりうるが,頸椎OPLLがもっとも多く,本稿でも頸椎後縦靱帯骨化症を中心に記載する.
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