連載 印象に残ったリハビリテーション事例
慢性期脳卒中患者に対してintensiveリハビリテーションを行った経験―FIM gainの大きさがすべてではない
島田 真一
1
1兵庫医科大学篠山病院地域総合医療学講座リハビリテーション科
キーワード:
脳卒中
,
慢性期
Keyword:
脳卒中
,
慢性期
pp.472-474
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101514
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筆者は,10年以上も脳神経外科医として脳卒中治療に従事してきましたが,全くわからないことがありました.それは回復期リハビリテーション病院で治療を受けた患者が,はたして正しいリハビリテーションアプローチで,十分な期間,十分な量のリハビリテーションを受け,最大限の機能回復がなされたのか,ということでした.回復期リハビリテーション病院でのリハビリテーションが終了し,車いすで外来に来る患者を診察しながら,常に,「もっとリハビリテーションをすればこの患者さんは歩けるようになるのではないか,自分はその可能性を見過ごしているのではないか」という思いがありました.
そのような思いから,脳卒中治療に携わる者として本格的にリハビリテーションの勉強をしようと決意し,2年前に兵庫医科大学の門を叩き,2008年6月より同大学篠山病院(以下,当院)リハビリテーション科(以下,当科)に勤務しています.当科の特徴は,医療過疎地になりつつある兵庫県の丹波・篠山圏域において,地元に密着した地域リハビリテーションを展開すると同時に,いわゆる慢性期の脳卒中患者に対して,徹底的にリハビリテーションを行い,最大限の機能回復を図るということです.
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