Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「イントゥ・ザ・ワイルド」―青年は荒野をめざすのだ
二通 諭
1
1石狩市立花川南中学校
pp.83
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101432
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青年期のキーワードは自立だ.かつて私が若かった頃も,多くの若者たちが自立のメタファー(たとえ)である「親殺し」や「親捨て=家出」といった寺山修司らの文学的アジテーションの虜になっていた.1960年代末から1970年代前半のことだ.
当時の若者たちの観念上の操作としての「親殺し」は,後に「青春の殺人者」(監督/長谷川和彦:1976年)として結実する.「親殺し」を映像世界でシミュレーションし,かつ代行させることで,あの時代の青春にピリオドを打ったのである.
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