連載 ひそかに読まれている本・3
『フューチャー・イズ・ワイルド』
2億年後の地球はもっとワイルドになっている
平尾 隆弘
1
1編集者
pp.99
発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100228
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本書を読むとなぜかワクワクしてくる。
「驚異の進化を遂げた2億年後の生命世界」と副題にあるように,『フューチャー・イズ・ワイルド』には,500万年後,1億年後,そして2億年後の地球が描かれている。豊富なカラー図版で,奇妙奇天烈な生物が次々に登場するのである。
著者の1人ドゥーガル・ディクソンは,20年以上前(1982年5月),『アフターマン』(旺文社)を刊行した。舞台は5000万年後。人類はとうに滅亡し,ネコ科だがサルのように手足でものをつかむ「ストライガー」や,水陸両棲の霊長類で水に入るとカエルそっくりに泳ぎまわる「スウイミング・モンキー」などが活躍している。当時4000円で購入した大判図鑑は,いまも私の愛蔵書である。でも『フューチャー・イズ・ワイルド』はさらにスケールが大きく,図版もリアルで楽しめる。いわば『アフターマン』の進化形なのだ。
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