Japanese
English
研究と報告
伝導失語症者における仮名文字の抽出・選択,配列課題の成績差,反応の違いについて
About differences of performance and reaction on the kana extraction/selection task, the kana arrangement task in conduction aphasia.
宮﨑 泰広
1,2
,
種村 純
3
,
木内 壽子
4
,
青柳 陽一郎
5
,
武田 克彦
6
Yasuhiro Miyazaki
1,2
,
Jun Tanemura
3
,
Toshiko Kinouchi
4
,
Yoichiro Aoyagi
5
,
Katsuhiko Takeda
6
1川崎医科大学附属病院リハビリテーションセンター
2現・日本赤十字社医療センターリハビリテーション科
3川崎医療福祉大学感覚矯正学科
4嘉誠会山本医院言語聴覚科
5川崎医科大学附属病院リハビリテーション科
6国際医療福祉大学附属三田病院神経内科
1Center of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School Hospital
3Department of Sensory Sciences, Kawasaki University of Medical Welfare
4Department of Speech Therapist, Kaseikai-Yamamoto Clinic
5Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Medical School Hospital
6Department of Neurology, Mita Hospital, International University of Health and Welfare
キーワード:
仮名文字抽出・選択課題
,
仮名文字配列課題
,
語順
,
仮名単語の書字過程
,
並列処理
Keyword:
仮名文字抽出・選択課題
,
仮名文字配列課題
,
語順
,
仮名単語の書字過程
,
並列処理
pp.47-54
発行日 2009年1月10日
Published Date 2009/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101424
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要旨:失語症者の仮名書字過程の抽出と配列について検討した.対象は,単語の仮名書字に困難を示した伝導失語症者2例とした.方法は,6枚の仮名文字チップから,その目標単語の構成仮名文字の3枚を選択する仮名文字の抽出・選択課題,3枚の仮名文字チップを配列し,目標語に対応する仮名単語を作成する仮名文字の配列課題の2課題を施行し,この課題の反応,成績について分析した.結果は,仮名文字の抽出・選択課題において対象の2症例間に顕著な反応の乖離が認められた.症例1は目標語の語順に沿って仮名文字チップを選択したのに対して,症例2は語順とは無関係に選択した.また,両症例における2課題間の成績差が存在し,症例2は仮名文字の抽出・選択課題のほうが配列に比べ有意に正答率が高かったのに対し,症例1ではその反対の傾向を示した.本課題の反応の相違と成績差から,仮名単語の書字過程において,抽出と配列過程は並列処理されている可能性が示唆された.
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